夫婦共働きの方で、後に述べますが、高齢の場合に一番注意しなくてはならないのが、漢方用語である「腎精不足」《自分の体力を維持することができても、妊娠出産するための気血(エネルギーと栄養物質)が子宮機能的に残されているかということ》です。
この方の場合、腹診において顕著な反応点があり、その部位の機能を回復することのみに治療点を求め施術し、結果がでました。ただ、1回目の妊娠時の定期診の時、脈力の低下(東洋医学の脈診というのは、特殊です)が見られ、会社の方を少し休むよう指示しましたが、それができず10日ほどして流産されました。
高齢、体力不足の方が妊娠したとき一番注意しなくてはならないのが、自分の体力維持と胎児の成長を同時にしなくてはいけないため、それ以外の労働においては精神的にも肉体的にも(特に目の使用は貧血傾向になる)最低に抑えなくてはならないことです。しかし、この方もそうですが、過去に流産された場合、3ヶ月ほどで再度妊娠される方が多いのも事実です。(当院での統計)
本人には語らなかったことですが、一番不安だったのは、流産した後、基礎体温が28日周期から26日周期になり、黄体機能の低下が疑われたことです。
しかし無事出産され、私の家族ともども喜びを分かち合えたことに感謝します。
男性(パートナー)に注意していただきたいのは、女性の場合、子宮という大きな臓器が存在し毎月妊娠に必要な内膜を形成することによる栄養物質の消耗と、生理による排泄を繰り返しているため、常に女性は貧血傾向にあり、そのため気が偏盛し上部をおかすため、イライラ感・頭痛・めまい等が現れたり、子宮の機能障害により、腹部痛・腰痛なども起こしやすいという事実を知っていただきたいのです。
それが異常に強く感じられる場合、女性は今までの習慣で慣れてしまっていますが、本来はそういった症状は全くないか、軽度であることを認識しなくてはなりません。仕事でのストレス、または労働は、体の栄養物質の消耗ですから、共働きされている人は女性をかなりフォローしなくてはいけません。
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